今日はインプラントの規格についてのお話です。
現在、インプラントを製造しているメーカーは数え切れないほどあります。
ブローネマルク、ITIという二大ブランドがあり、歯科医院はそのどちらかを使うことが多いと思います。
でも、中にはコスト面などの理由から、安価なインプラントを使用している歯科医院もあります。
安い物を使用するというのは、患者さんにとって治療費を安くできるというメリットがあり、それは構わないのですが、問題は寿命が三十年ともいわれるインプラントに対して、途中で上部構造のやり直しの必要が出てきた時です。
上部構造とはインプラントの歯の部分です。
毎年、毎年色々なメーカーから異なるタイプのインプラントが発売されます。
当然使用する器具もメーカーにより異なります。
独自のインプラントに独自の上部構造を構築する独自製のため、違うメーカーの器具はほとんど使えません。
これは国際規格が決まっていないからなんですね。
すると何が起きるか。
インプラントそのものに対して、上部構造の寿命は短いですから、やり直す必要が出てくる。
それが何年後かは分かりませんが、そうなった時にマイナーなインプラントはメーカー自体がなくなっていたり、製造中止になっている可能性がある。
運が良ければ、大きなメーカーが吸収合併して、生産し続けている可能性があります。
でももし、それもなく、ブランドそのものが消失した場合、上部構造を作り直せない可能性があります。
実際、一昔前のブレードタイプのインプラントは、若い先生は見たこともないと思います。一昔前には最先端であった技術が、二十年も経てば時代遅れになってしまうのです。
十年、二十年先のことは誰にも分かりません。
さらにいえば、長い間に引っ越すこともあるでしょうし、診た先生が亡くなってしまうこともあるでしょう。
そうなった場合、患者さんは非情に苦労されると思います。
何故なら自分のインプラントを取り扱っている歯科医院を探さなくてはならないからです。自分の体に入っているインプラントがどこのメーカーか分からなければ、それを確認するところから始めなくてはいけません。
そこで、今インプラントに求められているのは統一規格です。
使用する器具を全メーカー規格化出来れば、こういった不安が解消されると思います。
USBがメーカーによって使えないなんてのはまずない話ですから。
たかばんデンタルクリニック