コラムCOLUMN
歯周病の治療は何故回数がかかるのか?
歯のお掃除ということで、歯石や着色を取ってもらった方は多いと思います。
大抵一回では終わらず、少なくとも二回、多い人では五~六回かかる事があります。
中には今までは一回で終わってきたので、一度で終わらせて欲しいとおっしゃる患者もいますが、一度で終わるような事はほとんどありません。
何故回数がかかるか?
一つには歯の本数が多いということ。
永久歯は27本あり、その一本一本を検査して、歯石を取り、研磨までとなると初診日だけで終わらせるのはまず無理です。
二つ目は歯石は縁上歯石と縁下歯石に分類され、その二つを取るアプローチの仕方が違うからです。
歯ぐきの上にある縁上歯石は誰の目にも見えるので、比較的簡単に取れます。ベテランの衛生士であれば一回で取ることも可能です。
問題は縁下歯石です。
歯ぐきの下につく歯石は、無症状でどんどん歯の根の周りに付き、歯周病の進行の原因となります。
放置するとどんどん深く深く進行していきます。
早い人では、十代後半から付き始め静かに骨を破壊していくのですが、実際症状が出るのは早くても二十代後半から。普通は四十代になる頃より自覚症状が出始めます。
つまりサイレントキラーというわけです。
ですから、この縁下歯石を見つけたら、除去しなくてはいけないのですが、前述の縁上歯石を取り除き、歯肉の状態を改善してからでないと取ることが出来ません。
これらのことより、歯周病治療は時間がかかるというわけです。
人間、虫歯か歯周病どちらかで歯を失うわけですから、虫歯の治療と同等に考えていただいたほうがよいと思います。
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