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根管治療

今回は根管治療のお話です。

歯の根の先に膿の袋が出来てしまう事があります。歯根嚢胞という病気です。

神経が死んでしまったり、根の治療後何年か経過すると根の先に細菌感染が起こり、嚢胞を作ります。この嚢胞の周囲には嫌気性菌がたくさんいます。嫌気性菌というのは酸素が大嫌いな菌です。

最初に感染が起きた時や治療直後には好気性菌という酸素が大好きな菌がいます。酸素が大好きなので、根の周りの酸素を消費しつくして、死んでしまいます。その後増えてくるのが酸素が嫌いな嫌気性菌です。

もちろん、人間の体には免疫機能がありますから少量の嫌気性菌がいてもやっつけてくれます。

ですが、根の治療をしていなかったり、根の中の詰め物が劣化すると、嫌気性菌が増えてきますから、体の方でもそこに免疫機能を集中させて退治しようとします。歯を溶かすより骨を溶かす方が簡単ですから、根の周りの骨を溶かして袋を作って閉じ込めようとします。

歯根嚢胞の完成です。中身は膿が詰まった風船です。風船ですから穴を開けて内圧を下げてあげれば袋は小さくなります。

それが根管治療です。

嫌気性菌は酸素が大嫌いですから酸素を送り込めばすぐに死んでしまいます。

変な話ですが、韓国のユッケ。切った後ビニール袋に入れて密封して発酵させます。中は嫌気性菌だらけですが、ビニール袋を開封した瞬間嫌気性菌は死んでしまうので、韓国のユッケは菌が検出されないという訳です。

嫌気性菌は非常に酸素に弱いのですが、根の治療が終わり密封するとまた増えていきます。ですから根の治療を続けて何回かやって嫌気性菌の数を減らしていく必要があるのです。

根の治療はあまり間を空けないようにいわれるのはその為です。

写真は根の治療を続けて行った症例です。上の写真では右から2番目の歯の根が黒い影が写っています。これが歯根嚢胞です。

下の写真ではそれが小さくなっています。これが根管治療の効果です。